宅地開発に事前協議を義務づけ、紛争の調停を行なう画期的な新座市の新条例

 開発事業者に事前協議を義務付け、近隣住民との紛争が生じた時には市長の責任で調停するという、新座市の二つの条例が、 月 日の定例市議会で可決された。

 開発の面積が五百平米以上、高さが十メートルを超える中高層建物が主な対象で、マンションの建設計画に対して近隣の住民への説明を義務付け、いままでは任意であったため、協議が打ち切られて中途着工となり、涙を飲んだ住民の訴えに、行政が直接関与することは大きな前進と言える。

 宅地の開発に伴う環境の劣化、住民の紛争が続いてきた新座市の人口は十五万人を越え、さらにその密度を増すことが予想される。

 開発業者による宅地の無秩序な開発行為は、東京都のベッドタウンとなったこの地域の宿命であるが、新座市がこれに歯止めを掛けようとする努力は、生活環境に敏感になった市民に力を与える。近隣の市町村でも真剣に検討することが望まれる。

 市では、都市計画部開発指導課が窓口となり、条例の提案に先立って、先日この地域ではじめて施行された、パブリックコメント制度を適用、ひろく市民の意見を求めた。

 この条例では、条文に違反した場合に、行政が勧告、命令する一方、事業者や違反の事実を公表することになっている。罰則条項は今後の検討課題であるが、本条例は本年4月に施行される。


 

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