地域を立て直す主役は
一体だれなのか?

中央から地方へ、
地方分権の時代


 中央の政党の力が取り仕切る時代から、地域を後ろ立てにした脱政党の首長が続々と生まれている。中央から地方へ、地方分権の時代へと変貌を見せている。地域の担い手は一体だれになる?

  ◇  ◇  ◇

 地域の活性化に熱心な政治家は少なくない。しかし地方の首長は、自分の思い通りにことを運ぶことには熱意をもっているが、しばしば自己満足に陥りがちだ。
 私たちが、地域の議会のために一人の議員を信頼し、選出しても、議員さんが何人か集まらないと議案の提出はできない。役所の職員も、しばしば議会対策に走り、苦情を言う市民の対策に走ったり、一体何をしようとしているのか、行き詰まりの様子が見えてくる。これまではピラミッド型の上意下達の方式であったが、これからは、下から上へ、市民の一人一人の思いが行政に生かされるような改革が必要だ。首長の公約の点検、評価も市民によって常に行われるべきだ。

 多様化しつつある地域の問題の解決に向かって、新しい組織が注目されている。自発的に組織化された非営利活動法人NPOがそれ。NPOはいま、疲弊した既存の組織に代わる新しいエネルギー源として期待を担うようになってきた。
 地域にはあらゆる課題があって、NPOはいくつあっても足りないくらいといわれる。少々大袈裟のように聞こえるかもしれないが、例えばイギリスには約二十五万人の人口当たり、一千ものNPOがあって活動しているという。

 非営利を基本とする民間の組織は、九十五年に起きた阪神大震災のさいにボランティアが重要な役割を果たしたことを契機として注目され、九十八年にNPO法が施行された。全国のNPO法人はいまや月二千件のペースで増えているという。
 すでに本紙でも取り上げたように、NPO法は、活動を「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与する」活動とし、具体的に十二の分野を規定している。現行では、つぎの活動分野がある。
 保険・医療・福祉、社会教育、まちづくり、文化・芸術・スポーツ、環境保全、災害救援、地域安全、人権・平和、国際協力、男女協同参画、子どもの健全育成、NPOの連絡、助言

  ◇  ◇  ◇

 さていよいよNPOは第二世代に入ることとなった。
五月から加わる五分野として
情報化、科学技術、経済活性化、職業能力の開発・雇用機会の拡充、消費者保護がある。

 要件を満たしていれば、国や都道府県は書面審査でNPOに法人格を与えるが、行政が関与する余地を少なくし、市民の自主的な判断を重視するため、情報公開を通して市民が相互に選択、監視する仕組みになっている。公的な信頼性の保証はない。

 NPOの資金は行政からの委託事業と補助金、会員の会費などで賄われ、ほとんどの都道府県が市民活動への支援を定めている。NPOと行政との連携の動きも進んでいる。ただしボランタリー組織が単なる行政の下請け関係に陥らぬよう、例えば英国では、政府がNPOなどの独立性を認め、支援することを約束する合意文書を作成している。
NPOは便利屋という意識が行政に広がって、NPOが下請けにならぬよう双方の協働体制の構築に心掛けねばならない。

  ◇  ◇  ◇

 志木市では「市民との協働による行政運営推進条例」をすでに可決して、「行政パートナー」を制度化するという。この制度は、市民との協働によって職員の仕事を肩代わりさせ、行政の負担を軽減しようとするもののようだ。行政主導の体制は変わっていない。
 市民グループは行政といつも対等な関係を築きつつ活動し、下請けにはならないようにしたい。


戻る