緑のまちづくり
慶応高校寮跡地の開発で三者協議

大規模の開発では、法規上提供公園が義務付けられる。慶応高校寮跡地の開発では、業者が自発的に敷地を上乗せすることになった。ここに残された貴重な斜面林を中核として自然公園をつくる、という協議が進んでいる。行政と市民の力で「ふれあいの森」をつくる計画だ。
前号ですでに紹介した「慶応高校の緑に想いを寄せる会」は、その取り組みの一つとして「緑のワークショップ」を始め、すでに7回を重ねた。近隣の住民のほか、市民グループNPO「エコシティ志木」のメンバーや、開発業者が依頼した植物設計担当者、都市開発に当たる行政の方々は活発な協議を続け、どんな公園をつくるべきか、その姿を追求している。
斜面林を生かして、いまあるままの環境を維持する、遊具など置かずに、自然の観察ができるものにしたい、という意見が出た。下草刈り、整枝はどうするか、などは課題だが、すでに志木市が運営する「ふれあいの森」をモデルにしてはどうかという提案もあった。志木市には、地主から借用して開設した「ふれあいの森」がいくつか設けられて、「エコシティ志木」などのグループがサポートしている。市民には好評である。
 敷地が道路より高いので、段差ができるが、バリアフリーでなくてはならない、しかしコンクリートを打つようなものではなく、環境にやさしい設計にしたい。かつて敷地が接していた「野火止用水」の面影が偲ばれるような設計はないか、などなど…
 セキュリティーラインの線引き、マンション居住者との調整は、残された大きな課題である。しかしこれらの問題を乗り越え、市民の想いを緑のまちづくりに生かしたい。
写真は寮跡地の開発はいま。貴重な斜面林を望む。ほぼ中央に、移植されたかつてはシンボルだった大銀杏が見える 



 

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