コンピュータ
初級講座
 
『バックアップ』

 コンピュータに親しんでいる方には説明を要しないが、本来は「後援、予備、支援、代替品」といった意味のことばである。コンピュータの事故に備え、ソフトウェアの支援体制をとること、一般的にはプログラムやデータの複製を作っておくことを指す。
 コンピュータのハードは堅牢なのに、その中に入っているデータは脆い。しばしば壊れる。そのため情報の技術者は、いま扱ったプログラムやデータを特に注意深く扱い、バックアップを取ることを怠らない。
 パーソナル・コンピュータ(以下PCと省略)のワープロで作った文章は、まずハードディスクに保存されるが、このデータのバックアップに用いられるメディアとして使われたのは、主に「フロッピーディスク」(約1メガバイト)だった。しかしデジタルカメラが広く受け入れられ、よりデータ量の大きい映像データを扱うようになったため、バックアップ用メディアとしても、大容量のものが必要になってきた。
 大きな容量のバックアップ用メディアとして、いまお奨めは、まず CD−R だ。CD−R のRは、recordable(記録できる)、CD−R はフロッピーディスクの約500倍、650から700メガバイト、そして一枚の値段も数十円ないし百円となった。従来から、音楽のメディアとして普及してきたので、音のバックアップはもちろん、映像データのバックアップ用メディアとして、利便性の高いものになってきた。さらに都合が良いことに、どんなPCでも必ずCD−ROMドライブが付いており、いつでも、どこでも読める。いままでにも、大容量のメディアとして、MO(光磁気ディスク)があったが、保存にも、読み取りにも、専用のドライブを外付けしないと読めなかった。CD−Rは携帯に至便なメディアだ。ただし、PCがCD−Rを作成できるドライブを備えていることが、勿論必要条件で、これが付いていないときには、外付けのCD−Rドライブを別途購入しなければならない。価格は1万円ないし2万円といったところだ。データの書き込みには、専用のソフトが要るが、OS(「Windows XP」 のようなオペレーティングシステム)に標準で組み込まれているものを利用するか、CD-Rドライブに添付されているものを使う。
 ただしCD−R はフロッピーディスクとは異なり、上書きはできない。また消去、再度の利用はできないので、使い捨てである。
 再書き込みができるメディアとしてCD−RW (RはReWrite)がある。またもっと大容量のバックアップには、DVD を使う。それらの手続きは、CD−R とほぼ同様であるが、詳しくはつぎの機会に譲りたい。

 もう一つ紹介したいものに「フラッシュメモリ」がある。
 軽くて小さいメディアで、携帯には抜群のもの。市販されている製品の容量は、64、128、256、512メガバイトなどがあり、価格は3000円から25000円位、それ以上の容量のものもある。何より便利なことは、使っているPCにUSB のポートが付いていれば、これに差し込んで直ぐ使える。特別のドライブやソフトは不要なことだ。勿論再書き込みができる。

写真はフラッシュメモリーを付けたノートPC

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