高層住宅の防災は大丈夫?
東京エリアの危険度は世界一!


 今年の5月、東北地方を襲った地震のとき、仙台市青葉区の高層マンションの24階に住む男性は、外に出るべきか、中に残るべきか、基本的なことが分からない状態だったという。震度は4ないし5、海に浮かぶ船のような揺れを感じていた。
 国土交通省の99年度の調査によると、マンションの管理組合の6割以上が、地震などによる大規模な災害への準備を何もしていないと答えたという。地震のとき、大規模な火災の可能性がある住宅の密集地は全国で約八千ヘクタール、人や巨大なビル、高速交通などが複雑に絡み合う大都市は、地震のとき、個々の被害が次々連鎖的に拡大する弱点をもつ。

9月1日は関東大震災から80年

 ドイツの再保険会社が今年3月に公表した、東京エリアの自然災害の危険度指数は、世界で突出していた。世界1位で、2位のサンフランシスコの4倍以上、ニューヨークの約17倍であった。阪神大震災では、電気の完全復旧まで一週間かかった。最低三日は自分の力で凌ぐ構えが必要だ。
 災害を守るために、いま何が必要か。高層のマンションに暮らす方は、少なくとも管理組合で話し合い、指針を作っておくべきだ。
(この記事は、朝日新聞、8月19日朝刊、30ページを参考にしました)

高層マンションを購入するときの心構え

 高層からの眺望は魅力的だ。いま地域に建設されるマンションは14 、15 階のものが多くなっているが、購入する前に、防災の観点でチェックすることは是非とも必要なことであろう。
 マンションを建設する業者の仕事は、住宅を販売することであるが、その相手は全く不特定のお客である。最近の盛んな共同住宅建設のために、住宅の販売は激しさを増しているが、一旦売買が成立すると、建物は当然、購入した方の共有となる。もし不具合が生じても、余程のものでない限り、建設業者には頼れない。そこで住民は管理組合やシステムをつくって、建物の維持を万全なものにしなければならない。購入してからは、それまで未知であった人々と、嫌でも共同の管理を強いられるのだ。

次々と日照を奪う南側の高層ビル

 さいたま市の中心部で起こった事件であるが、建築業者は敷地の北に高層住宅を建設し、充分な日照を売り物にした。しかし販売が終わると、法律上で許される最低の隙間をつくって、南側にまた高層を建てる、それが完売すると、またその南側に高層を建設して、つぎつぎと日照を奪い、つぎにはまた日照を売り物にする。

 マンションを購入するさいには、周辺の状況を注意深く調査して万全を期することが必要だ。眺望や日照は、その後に起こる周辺環境の変化に大きな影響を受ける。このことを銘記して置くべきだ。
 志木
市本町5丁目のような「商業地域」では、日照被害の保障を求めることは原則としてできないようだ。

 


志木市本町5丁目の高層マンション現場

その南側の建物は現在平屋だが、高層ビルに立て替えられると、日照は失われる恐れが大きい

 

ウォッチング



志木市本町通り恒例の「色波市」
終りを告げる夏
夕べに「サンバ」は行く


ヒガンバナ

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