新しい年に向かって響きわたる
歓喜の歌・・・
第九の合唱

 ベートーヴェンの第九交響曲の演奏は、年末恒例になっているが、特に第九の合唱には、新しい年を歓喜で迎えようという人々の想いが込められている。昨年の暮れにも声高らかく歌われた。
 ルードゥィッヒ・ファン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven は1770年ドイツのボンで生まれ、宮廷オルガニストを経て作曲家となった。九つの交響曲が作曲され、いずれも名曲として知られる。最後の第九交響曲にはシラーの詩「歓喜の歌 An die Freude」の合唱が取り入れられ、1824年ウイーンで初演された。
 作詞者シラー Friedrich von Schiller は、1759年ドイツのマールバッハに生まれた劇作家、詩人で、このシンフォニーで歌われている詩は1780年の作品。第九の演奏ではドイツ語で歌われることが常である。

 An die Freude
   
  Freude, schoener Goetterfunken,
 Tochter aus Elysium,
 Wir betreten feuertrunken,
 Himmlische, dein Heiligtum !
 Deine Zauber binden wieder,
 Was die Mode streng geteilt;
 Alle Menschen werden Brueder,
 Wo dein sanfter Fluegel weilt.


 フロイデ シェーネル ゲッテルフンケン
 トホテル アウス エリージウム
 ウイル ベトレーテン ホイエルトルンケン
 ヒンムリッシェ ダイン ハイリッヒトゥム
 ダイネ ツァウベル ビンデンヴイーダー
 ヴァス ディー モーデ シュトレング ゲタイルトゥ
 アレ メンシェン ヴェルデン ブリューダー
 ヴォ ダイン ザンフテル フリューゲル ヴァイルトゥ
 歓喜の歌

 ああ歓びよ、美しい神の光よ、
 至福の楽園の乙女よ、
 われらは豊かな情熱に満たされ、
 天国に、あなたの聖域に入って行こう
 離れ離れになった時代の流れを、
 神秘なあなたの力が結びつけ、
 あなたのやさしい翼のもとで、
 人々はみな兄弟となるのだ
(編集部訳)


混声合唱団「志木第九の会」

 1991年志木市市制20周年を記念して、ベートーヴェンの第九交響曲が演奏された。この画期的なイベントは、市民に大きな感銘を与えたが、これに参加された市民合唱団の有志が母体となって、「志木第九の会」が誕生した。
 「志木第九の会」は、人間として生きる歓びを賛美するとともに、深い人類愛と永遠の平和を希求するベートーヴェンの「第九」を範としている。しかし第九の合唱を歌うだけではなく、広範囲の音楽活動を通して、会員相互の心のハーモニーと地域の音楽文化の向上を図ることを、発会にさいして宣言した。
 「志木第九の会」は、会員の“和”と“輪”をモットーとして、志木市民だけではなく、近隣の地域に広く門戸を開き、新座,朝霞、和光、富士見市のほか、さいたま市や川越市、東京都内にも会員の輪を広げている。
 定期演奏会はすでに10回を数え、ヘンデルの「メサイア」、ハイドンのオラトリオ「天地創造」などを取り上げ、昨年は11月志木市民会館でフォーレの名曲「レクイエム」などを演奏した。政府、民間から支出される芸術文化振興基金」の援助を受け、本格的な芸術活動として、地域に定着しつつある。今年はメンデルスゾーンのオラトリオ「エリア』に取り組む。すでに練習は開始されている。
会誌は「Freude」。ホームページも(http:/www2u.biglobe.ne.jp/~freude/)。メールも受け付けている。
連絡先は事務局、岡嶋登紀子さん、TEL/FAX:048−473−6368へ。

 

 

 

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