桜の咲くころ
DNAの解析で見直される桜の品種
異名同種が次々とわかってきた

 サクラと云えば、野生種の山桜ヤマザクラだったが、ソメイヨシノなど、日本人の桜好きが作り出した園芸品種は、三千種類を越えるという。
 ところがである。異なる名前がつけられた品種が、実は同一の種では、と疑われている例が少なくなかったが、DNAで解析する手段を手にしたいま、それでは科学的に検証しようということになった。
 向井 譲教授(静岡大学)、横山敏孝博士らの調査で、同じではないか、と疑われていた、大輪の白い花が咲く系統の「太白(たいはく)」と「駒繋(こまつなぎ)」、淡紅色の花が咲く系統の「有明」と「大提灯」を解析したところ、同一の品種の可能性が高いことがわかった。ほかにも異名同種は少なくないと考えられている。

参考資料
1:服部紗代子、加藤珠理、横山敏孝、向井譲、「桜の科学」第9号、29ページ(2002)
財団法人日本さくらの会発行
2:朝日新聞、平成15年4月11日、夕刊14ページ


切り絵:
■岡橋から黒目川堤の櫻並木を見る
制作・池田 要氏


2枚:かつての志木小学校校庭の桜を偲ぶ

 

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