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地域の活性化

地域の活性化はインフラ整備から
志木市本町通りの拡幅整備は正念場に

朝霞県土整備事務所は、去る8月5日、志木市本町通りの関係者に呼び掛けて、大通りの拡幅整備計画の説明会を開催した。その計画は、本町大通りの富士道入口交差点から、昭和新道交差点の先まで、約390mの区間を拡幅し、交差点までの電線は地中化しようというものである。

 「市場坂上」のバス停から富士道入口交差点までの区間(市場通り)約250mは、以前から道路幅が広く、先年電線の地中化、歩道の整備が行われて、一挙に近代化された。今回の計画は、これにつづく上町通りを拡幅、整備して接続、延長しようというもの。
 上町に入ってからの本町通りは、旧来の狭い車道、歩道が続き、車両の渋滞は激しく、電柱などの障害物によって自転車、歩行者の通行は困難をきわめていた。道路の両側の電柱から空を隠すように電線が張られ、視界は遮られてきた。譲らなければ、自転車や歩行者はすれ違うこともできない。
 商店が密集し、しかも車道が狭いので、この区間の拡幅計画は多くの難問に直面せざるを得ない。したがって、関係者は、具体的な計画を進めることができず、ついに今日に至ったのである。今回の計画は、敢えてこれらの課題に立ち向かうもので、関係者の並々ならぬ決意と意気込みが感じられる。
 昨年11月、富士道入口交差点で起こった自転車通学の高校生の死亡事故は、この道路の交通渋滞と関わる悲痛な事件であった(本紙15号1ページ「オピニオン」参照)。

 県土整備事務所の担当者によって工事のスケジュールが説明されたが、それに先立ち、志木市商工会によって行われたアンケート調査、県知事に対しての陳情などが紹介された。計画がスタートした背景には、地域の方々の並々ならぬ活動が原動力となっているようだ。

 このとき配布された、計画道路の位置図を上に示した。
 工事、整備のスケジュールによると、間もなく現況測量がはじまり、概略の道路設計につづいて用地測量(境界立ち会い)に入る。
 平成17年度に用地の買収の個別交渉が開始され、計画完了に向けて山場を迎える。
 続いて道路の詳細設計(電線地中化設計を含む)、電線地中化工事、歩道の工事に取り掛かるが、現在のところ完成は平成21年が予定されている。問い合わせは、埼玉県朝霞県土整備事務所道路公園治水担当?・048‐471‐4661。

 計画道路は、県が進めている「都市計画道路中央停車場線」の一部に当たっているが、一方その東端部分では、先年志木駅前に大規模なビル、駅前広場が構築されたさい、ここからユリノキ通りまでの拡幅、電線地中化が行われ、完成する日は遠くない。これとも繋がれて全体の道路の近代化が完成する目処がついてきた。


ここから拡幅される


自転車、歩行者の難所

黒目川周辺の環境は守られるか

朝霞市溝沼の市道1号線沿いにガソリンスタンドなどの建設計画

 朝霞市では、黒目川周辺を「保存ゾーン」(都市における農産物の供給・防災機能をもったオープンスペース)として、いままで公共施設の建設以外の開発には対して規制を設けてきた。建設予定地一帯は「市街化調整区域」に指定されており、都市計画法上で「市街化を抑制する」地域となっている。したがって私有地であっても原則として開発は認められないはず。市街化調整区域の開発行為について、例外的な事例はあるが、法律の趣旨に基づけば、業者の申請は不許可になってしかるべきである。
 予定地には第十小学校、第三中学校、溝沼市民センター、子供プール、児童館、保育園、老人福祉センターなど、子供や老人が利用する施設が数多く、通学路、憩いの場所、災害避難場所となっている。
 業者の開発行為等事前審査の申請が去る7月に市に提出されたことを知り、地域の環境団体などは8月はじめ、開発申請者である「出光興産」に対して、黒目川の環境に関する質問状を送り、再考を求めた。近隣の住民を核として8月21日、黒目川周辺の環境を守るため、「環境と街づくりを考える集い」が開かれ、事業者である出光興産株式会社に対してこの計画の撤回を、また朝霞市に対しては「計画的な街づくり」「住民の福祉と安全」「子どもたちの教育環境」に配慮し、「開発不許可」とするよう求めたアピールを採択した。

図は計画地域の略図


 新高橋から予定地を望む

朝霞県土整備事務所

 この事務所は、埼玉県県土木整備部の出先機関で、朝霞市、志木市、和光市、新座市の四市を所管する。地域密着型の事務所として、私たちに馴染み深い役所である。
 道路などの整備、維持管理および建築確認などを取り扱い、その業務の内容は地域のインフラ構築で、課題は多岐にわたっている。地域の住民にとって特に大きな関心の対象は、道路整備、河川改修などであるが、これらの業務の情報は、しばしば各市の境界にまたがり、あるときは越えるので、各市の広報などからは得られない場合が少なくない。そこで本事務所では、市民との距離を縮める努力をされている。例えば、ホームページは職員の手作りであること、各市のボランティアと職員とが一体となって道路の清掃、クリーン作戦を展開し、その状況はホームページ上でも公開されている。地域に下りてきて、市民の活動を支援するという頼もしい役所だ。
 この事務所は瀟洒な平屋建て、ガラス張りの建物で、東上線の電車が朝霞台駅を発車して、朝霞に向かうとき、左手の線路際に見える。

朝霞県土整備事務所のモダンな入口